<![CDATA[ブログ]]> https://tokuabe.com/blog/ Tue, 09 Dec 2025 07:53:17 +0900 Wed, 19 Nov 2025 13:27:37 +0900 CMS Blue Monkey http://blogs.law.harvard.edu/tech/rss <![CDATA[【アーカイブ配信】『知っているようで知らなかったパッド版編』セミナー動画をUPしました!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/11/19/123 以前に開催したWEBセミナー『知っていそうで知らなかったパッド版編』の動画をUPしました!

・パッド印刷を始めたばかりの方
・これからパッド印刷機の導入をお考えの方
・以前からパッド印刷をどんなものか知りたかった・勉強したかった方
・パッド印刷に間接的に関わられている方(営業の方、生産管理の方、品質管理の方などなど・・・)
・新人にパッド印刷を教えたいけど教える時間を取れない方
・新人への教え方がわからなかったり、 どこから教えたらよいか迷っている方

そんな方々におすすめの動画となっています!

WEBセミナーに参加出来なかった方もこの機会に是非ご覧ください!

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Wed, 19 Nov 2025 13:27:37 +0900
<![CDATA[【ブログ】新しくブログ記事を2本UPしました!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/11/10/122 新しくブログ記事を2本UPしました!
このたび、新たに技術ブログを2本公開いたしました。
どちらも印刷や製版の基礎知識を、現場目線でわかりやすく解説しています。

樹脂版とは?印刷品質を高める活用術を解説

  1. 樹脂版とは?
  2. 樹脂版の種類と用途
  3. 樹脂版のメリット
  4. 樹脂版の性能を引き出す方法
  5. 樹脂版選びのポイント
  6. 樹脂版なら特殊阿部製版所へ
  7. まとめ

 

ドクターブレードとは?特徴や刃の形状を紹介します!

 

  1. ドクターブレードとは?
  2. ドクターブレードの種類と刃の形状
  3. ドクターブレードの取り付け方と選び方
  4. ドクターブレードで解決できる印刷トラブル
  5. ドクターブレードなら特殊阿部製版所へ
  6. まとめ



さらに、電子ブックではブログでは語り切れなかった情報や具体例を収録しております。
より深く知りたい方は、是非電子ブックもあわせてご覧ください。



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Mon, 10 Nov 2025 09:14:17 +0900
<![CDATA[ドクターブレードとは?特徴や刃の形状を紹介します!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/11/10/120

ドクターブレードとは、印刷機の凹版に接触させて余分なインクやコーティング液をかき取る刃(スクレーパー)のことです。
ドクターブレードは、パッド印刷やグラビア印刷、フレキソ印刷といった産業印刷において、印刷品質を決定づける非常に重要な役割を担っています。

特に、購買・調達部では、「インキの掻き取りムラによる印刷不良を減らしたい」「ブレードの交換頻度を下げてコストを最適化したい」といった課題に日々直面されているのではないでしょうか。

近年、印刷物の多様化や高速化が進む中で、ドクターブレードにはより高い精度と耐久性が求められるようになっています。
従来の金属製だけでなく、プラスチックや特殊コーティングを施した製品も登場しており、用途に応じた適切な選択が、安定した印刷品質とコスト削減の鍵を握ります。

この記事では、「ドクターブレード」の基本的な役割や構造から、印刷品質に直結する刃の形状(刃先形状)の種類と特徴、さらには適切な選び方までを、印刷現場の課題解決に役立つよう詳しくご紹介いたします。

目次

  1. ドクターブレードとは?
  2. ドクターブレードの種類と刃の形状
  3. ドクターブレードの取り付け方と選び方
  4. ドクターブレードで解決できる印刷トラブル
  5. ドクターブレードなら特殊阿部製版所へ
  6. まとめ


ドクターブレードとは?

ドクターブレードとは、印刷機の凹版に接触させて余分なインクやコーティング液をかき取る刃(スクレーパー)のことです。
高品質な印刷を実現するために欠かせない非常に重要な部品です。
グラビア印刷やフレキソ印刷といった産業印刷の現場で活躍しています。

ドクターブレードの役割

ドクターブレードの最も重要な役割は、印刷機のローラーや凹版(版面)に付着した余分なインクやコーティング液を正確に掻き取ることです。

こうして、凹版のくぼみ(セル)の中にだけインクを残し、インク量を均一に制御する「すりきり」のような働きをします。

もしも、ドクターブレードがなければ、凹版印刷面以外にもインクが残り、印刷ムラやにじみの原因となります。

ドクターブレードは、高精度でインクを掻き取ることで、印刷物の色調の安定や鮮明な印刷を可能にしてくれます。

用途別の役割、活用例(パッド印刷/フレキソ印刷/グラビア印刷など)

パッド印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷におけるドクターブレードの役割と活用例をご紹介します。

パッド印刷

パッド印刷では、凹版の非印刷部に残ったインキを完全に除去することが重要です。

そこで、ドクターブレードは以下のような働きを担います。

  • 凹版のくぼみにだけインキを残すことで、印刷のエッジを鮮明化する
  • インキの過剰残りによるにじみを防止する
  • 版面の損傷を防ぎながら、一定の圧で均一に掻き取る

特に、パッド印刷におけるドクターブレードは、凹版(エッチングされた金属版や樹脂版)の表面に塗布された余分なインクを、均一な膜厚にかき取るための刃(スクレーパー)です。

印刷面に残すインク量を一定に保つことで、転写パッドへのインク移行を安定させ、印刷ムラやにじみを防ぎます。

パッド印刷では、微細な文字やロゴを正確に再現するため、ドクターブレードの刃先形状や材質、版との接触圧は非常に重要です。これらの条件が適正に管理されていないと、印刷濃度の不均一やピンホール、ヒゲなどの不良が発生します。

したがって、ドクターブレードは単なる“インクを拭き取る部品”ではなく、パッド印刷の画質と再現性を左右するキーパーツといえます。

フレキソ印刷

フレキソ印刷機では、アニロックスローラーの表面には多数のセル(小孔)があり、ここにインキを保持します。

ドクターブレードは、そのローラー表面のセル外に付着した余分なインキを掻き取る役割を担います。

  • 各セルに一定量のインキのみを保持させる
  • インキ量を精密に制御し、印刷ムラを防止する
  • アニロックスの汚れやドットゲインを防ぎ、高精細印刷を実現する

グラビア印刷

グラビア印刷においてドクターブレードは、印刷シリンダー表面から余分なインキを掻き取る中核部品です。
ここでの役割は極めて重要であり、印刷品質の均一性を左右します。

ドクターブレードは、次のような働きを担います。

  • 凹部(セル)以外のインキを完全に除去し、シャープな印刷画像を維持する
  • ブレードの角度・圧力により、濃度ムラや線状スジ(ブレード線)を防止する

シリンダー摩耗を防ぐために、高精度加工された鋼ブレードを使用しましょう。

ドクターブレードの種類と刃の形状

ドクターブレードの性能と印刷品質は、使用されている材質や刃の形状(刃先形状)によって大きく左右されます。

適切な刃の形状を選ぶことで、印刷物の仕上がりだけでなく、版(シリンダー)の寿命を延ばしたり、ブレードの交換頻度を減らしたりすることにもつながります。

「平行刃」の特徴と適した用途

平行刃(ストレート)は、刃先に角度をつけず、厚みが均一なままエッジ(端部)が形成されているタイプです。
日本では平行刃のドクターブレードが標準で、ドクターブレードの大半がこのタイプです。

平行刃の特徴

  • 刃先が比較的、厚く、剛性が高いため、掻き取り圧力をかけやすく、粘度の高いインクや大サイズの印刷に適しています。
  • 掻き取り面が広いため、インクを確実に除去する能力に優れています。

平行刃の適した用途

ベタ印刷(全面均一な色を塗る印刷)など、確実なインクの掻き取りが求められる場合に用いられます。

樹脂製の平行刃もあり、アニロックスロールへのダメージを抑えたいフレキソ印刷で採用されることもあります。

「三角刃」の特徴と適した用途

三角刃(ステーブル刃、斜角刃)は、ブレードの先端部分を研磨し、刃先に角度(20°、22°、30°など)をつけた形状のものです。

三角刃の特徴

  • 刃先が非常に鋭利なため、版面との接触面積が小さくなり、精細なインクの掻き取り性能が特長です。
  • 小さな力で版にフィットし、高精度の印刷を実現しやすい傾向があります。

三角刃に適した用途

グラビア印刷において、高線数(版面のセルの数が細かい)のアニロックスロールを使用する精細な絵柄の印刷や、高速印刷の現場で優れた性能を発揮します。

ラメラ刃(二段刃)

ラメラ刃(二段刃)は、刃先部分だけ薄く削られており、しなやかな刃です。

ラメラ刃(二段刃)の特徴

ラメラ刃(二段刃)は、平行刃よりも刃先がしなやかにたわみ、均一な接触ができるのが特徴です。

インクムラを抑えつつ、版を長持ちさせられる点はメリットですが、長時間使用や高速印刷には不向きなのがデメリットです。

ラメラ刃(二段刃)に適した用途

フレキソ印刷、グラビア印刷によく使用されます。

ドクターブレードの取り付け方と選び方

安定した品質を保つ上では、単に高性能なドクターブレードを選ぶだけでなく、正しい方法で取り付け、印刷条件に合わせて選定することが重要です。

正しい取り付け方と向き

ドクターブレードは、印刷機のドクターホルダーと呼ばれる装置に装着することで、版面に対して適切な角度と圧力で接触させられます。
適切な長さにカットしたドクターブレードを、ドクターホルダーにセットします。
向きを誤ると、インクの掻き取りが不十分になり、印刷不良の原因となります。

平行刃:
ブレード表面に段差がある方が手前です。段差のない、フラットな面が奥になるように取り付けます。
三角刃:
ブレード刃先に角度がある方が手前です。角度のない、フラットな面が奥になるように取り付けます。

用途別の活用例(フレキソ/グラビア/パッド印刷など)

フレキソ印刷、グラビア印刷、パッド印刷などにおけるドクターブレードの活用例をご紹介します。

パッド印刷

パッド印刷では、凹版表面からインキを“完全に掻き取り”、凹部のみに残す、転写用パッドに正確に渡すために使用されます。
ベタ印刷に適した剛性の高い平行刃(t0.9mmなど)が用いられることがあります。

フレキソ印刷

フレキソ印刷では、ローラー表面(アニロックスロール)についたインクを均一に塗るために使用し、均一なインキ量を制御します。
ロールを傷つけないよう“柔らかい樹脂ブレード”を使用します。

アニロックスロールの表面に傷をつけないよう、シリンダーへのアタリ(接触)がソフトなプラスチック製のブレードが採用されるケースも多いです。

グラビア印刷

グラビア印刷では、凹版のくぼみにだけインクを残すために、余分なインクをきっちり削ぎ落とすことが重要です。
このため、高精度なインク掻き取りが求められるため、耐久性の高いスチール製やセラミックコーティングのブレード、三角刃が主流です。
特に微細な印刷では、精細な掻き取りが可能な三角刃が選ばれます。

印刷条件に合わせたドクターブレードの選び方

ドクターブレードを選定する際は、以下の点を総合的に考慮することが、コストと品質の最適化につながります。

印刷スピードとインクの粘度から選ぶ

印刷スピードが上がるほど、刃と版(アニロックスロール/凹版など)との接触回数・刃にかかる荷重・液体のせん断(スリップ)力が増えます。

また、インキの粘度が高いほど「液が刃先をすり抜けにくい」「刃にかかる油圧的/流体的な力(せん断、浮き上がり、ハイドロプレーニング)も増えます。

このため、「高粘度インキ+高速印刷」という組み合わせでは、刃には「硬く・たわみにくく・安定に掻き取る」仕様が要求されます。
逆に「低速/低粘度」の条件では、柔らかめでも対応可能です。

版(シリンダー)の材質と寿命から選ぶ

高価な版(シリンダー)の摩耗を抑えたい場合は、版への攻撃性が低いプラスチック製や、版に馴染みやすい特殊メッキを施したスチール製ブレード(ソフトセラミックなど)が最適な選択肢となります。

  • スチール(鉄鋼)
    スチール(鉄鋼)製の版(シリンダー)は、硬くて耐久性が高く、安定した掻き取りができる点がメリットです。
    コストパフォーマンスも高いです。
  • ステンレス
    ステンレス製の版(シリンダー)は、サビに強く、湿気や溶剤に強い点がメリットです。
    耐食性が必要な環境に適しています。
  • セラミックコーティング
    金属刃にセラミック層をコーティングした版(シリンダー)は、摩耗に強く、寿命が長い点がメリットです。
  • プラスチック(樹脂)
    プラスチック(樹脂)製の版(シリンダー)は、柔らかく、ロールを傷つけにくい点がメリットです。
    ソフトに掻き取りが行えます。
  • カーボン複合材
    カーボン複合材の版(シリンダー)は、軽くて硬く、静電気が起きにくい点がメリットです。
    セラミックより扱いやすい点も特長です。
  • 樹脂+金属のハイブリッド
    樹脂+金属のハイブリッドタイプの版(シリンダー)は、金属の精度+樹脂の柔らかさの両面を兼ね備えている点がメリットです。
    掻き取りとロール保護の両立が可能です。

印刷物の品質要件から選ぶ

スジやカスレの発生を極力抑え、均一な色調を重視する場合は、高精度な刃先加工が施された製品を選ぶ必要があります。

高精度な刃先では三角刃・高精度スチール仕様を選びましょう。
こうすることで、エッジが立った精細な線を実現でき、濃度が安定します。

色ムラを防ぎ、ベタを均一に出したい場合は、平行刃t0.3〜0.5mmがおすすめです。

微細な線や網点の再現を重視したい場合は、三角刃t0.3を選んでください。

版を長持ちさせながら安定印刷したい場合は、平行刃t0.3を選びましょう。

ドクターブレードで解決できる印刷トラブル

ドクターブレードを適切に選定・使用することで、多くの印刷トラブルを未然に防いだり、解決したりすることが可能です。

ベタ印刷のムラやピンホールでお困りの場合

印刷面の一部が薄い、あるいは濃い「ベタやムラ・色ムラが発生する場合、ブレードの当たりムラ、刃先摩耗、版中央部の掻き取り不足の可能性があります。

この場合、ブレードの厚みをt0.3 からt0.5に変更し、剛性を上げることで解消します。
圧力は、“高くする”ことよりも、“均一にする”ことが大切です。
ムラが出たらまず「当たり」と「ブレード摩耗」を疑うのが鉄則です。
また、版の取り付け面・ホルダーの平行度も確認しましょう。

ピンホールでお困りの場合

印刷面に小さな点状の抜けが出る「ピンホール(小さな白抜け)」が生じている場合は、刃先の異物付着、摩耗、またはインキに気泡が入っていることが原因です。
刃の表面に“見えない埃や削れ粉”が残っているサインともいえます。

このため、ブレード先端をアルコール系洗浄液で1日1回拭き取ることで解消・予防が可能です。
異物付着が再発する場合は、SUS材やフッ素コート刃への切り替えを検討しましょう。
また、取り付け角度が適正か確認することも重要です。

タマミ(インキの溜まり)

印刷開始直後や中央部にインキが残り、線状や塊状の汚れになる「タマミ(インキの溜まり)」が生じている場合は、ブレードのしなり過多、インキ粘度が高すぎる、温度変化による乾燥が原因です。

三角刃 t0.5~t0.9mmに切り替えて掻き取り力を上げ、印刷環境を25℃前後に保ち、インキ粘度を一定にすることで解消できます。
三角刃 t0.3から三角刃 t0.5に変えると、一気に解消されることもあります。

版の寿命を延ばしたい場合

ドクターブレードは版に直接接触するため、版の摩耗は避けられません。版の寿命を延ばすことは、印刷コストの削減に直結します。

耐摩耗性のあるコーティングが施されたブレード(例:セラミックメッキ、フッ素樹脂コーティング)は、版への攻撃性を抑えつつ、長寿命を維持できるため、版減りの心配を少なくできます。
特に版との馴染みが良好なブレードを選ぶことで、版を優しく保護しながら使用できます。

保管する際は、防湿・防塵ケースに入れてください。
乾燥剤・防錆紙を一緒に入れておくことがポイントです。

また、反り・ねじれ防止のためには、立てて保管せず、水平に置くことが重要です。
さらに、錆・歪み防止のために、直射日光・高温多湿を避けることも大切です。
軽い衝撃でも刃先が微妙に歪むため、落下厳禁です。安定した保管場所を確保してください。

開封後の取り扱いについては、使う分だけ取り出すことを心がけましょう。
また、未使用ブレードは素手で触らないでください。指紋の油分で錆が出るのを防ぐためです。

ドクターブレードの交換時のサイン

ドクターブレードは消耗品です。
摩耗が進むと印刷品質が低下するため、定期的な点検と交換が必要です。
交換頻度を減らすことで、作業停止期間を短縮し、経済効率の向上につながるため、長持ちするドクターブレードがおすすめです。

ドクタースジ(線状の汚れ)が発生することが、最もわかりやすいサインです。
刃先に摩耗や異物が付着することで、インクを掻き切れずにスジ状の汚れが発生してしまうのです。

また、印刷物の色調に変化があった際も交換時期のサインです。
インクの掻き取り量が不安定になり、色ムラが出始めてしまいます。

ブレードの厚さ、圧力、設置角度にも注意してください。
使い始める前に、わずかなバリなどないか確認することで、いきなり版を傷つけてしまうことを防げます。

日常チェックポイント(毎朝・毎交代時)

チェック項目 見るポイント
①当たり圧 均一に接触しているか。
印刷中の音が一定に「スー」と出ているか。
②ブレード角度 角度が浅すぎ/深すぎないか 。
20~30°が適正(三角刃の場合)。
③刃先状態 スジ・傷・カエリ・異物がないか。
エッジが均一に見えるか。
④ホルダー 固定ネジの緩み・歪みがないか。
全ネジ同トルクで締め込むこと。
⑤インキ溜まり 刃の根本・端に残っていないか。
乾燥皮膜がない状態がベストです。

ドクターブレードなら特殊阿部製版所へ

特殊阿部製版所では、印刷の仕上がりを左右するドクターブレードを4種類ご用意しております。
お客様の印刷条件や課題に合わせて、最適なドクターブレードをご提案いたします。

※長さは、ご希望寸法にカットいたします。
※1セットは10枚入りです。
※長尺(最大310mm)の販売も行っています。

4種類のラインナップと特徴

特殊阿部製版所で提供するドクターブレードは、1セット10枚入りです。
長さは、ご希望寸法にカットいたします。長尺(最大310mm)の販売も行っております。

ドクターブレード 平行刃 t 0.3mm

0.3mm厚の平行刃は、比較的、剛性が高く、安定した掻き取りが可能です。
掻き圧力は三角刃と比べて弱いですが、小サイズ版の場合、長時間の安定した印刷をご希望の場合、版の寿命を長くしたい場合、樹脂版での使用などに適しています。

材質:スチール(SK)
厚さ × 幅(㎜):t0.3×18.5

■こんなトラブルの解消に役立ちます
細文字・微細ロゴが太る/欠ける。版にキズ・ブレード、版の早い摩耗。

■このブレードの特徴

  1. 接触面が広い=当たりが安定、版に優しい
  2. 細線・文字・小型版に強い(“過剰に掻き過ぎない”)
  3. あらゆるケースで対応可能な万能型

■印刷推奨条件

  1. 細文字、繊細なデザイン
  2. 小~中サイズの版
  3. 低~中粘度インク(例:通常の溶剤型・UV)

ドクターブレード 三角刃 t 0.3mm

パッド印刷用ドクターブレードは、三角刃が圧倒的に使われているようです。
三角刃は掻き取りの圧力を強くできるというメリットがありますが、刃先の磨耗による掻き取り圧の変化が起きやすいことと、版に対するダメージが大きいというデメリットがあります。

平行刃に比べて強い力で掻き取りができます。
早い立ち上がりを希望される場合や大サイズ版の印刷に適しています。

材質:スチール(SK)
厚さ × 幅(㎜):t0.3×18.5

■こんなトラブルの解消に役立ちます
細文字や線がにじむ場合。
版にキズ・版の早い摩耗。
ベタ面でムラが出る/中央だけ薄い場合。
立ち上がりが遅い/最初の数ショットが薄い場合。

■このブレードの特徴

  1. 先端が鋭い=接触線が細く、掻き取り力が強い。
  2. 細線・文字・小型版に強い(“過剰に掻き過ぎない”)。
  3. 圧を上げなくても“切れる”ので版ダメージを抑えやすい。

■印刷推奨条件

  1. 精細な文字・ロゴ・細線
  2. 小~中サイズの版
  3. 低~中粘度インク(例:通常の溶剤型・UV)

ドクターブレード 三角刃 t 0.5mm

0.3厚のブレードよりもさらに強い力で掻き取りができます。
早い立ち上がりを希望される場合や大サイズ版の印刷に適しています。

材質:スチール(SK)
厚さ × 幅(㎜):t0.5×18.5

■こんなトラブルの解消に役立ちます
色ムラ
タマミ(インキの溜まり)
ピンホール(インキ抜け)

■このブレードの特徴

  1. 剛性が高く、中央部まで均一に掻ける。
  2. 先端が鋭いため、余分なインキを確実に除去。
  3. 立ち上がりが速く、長時間運転でも安定濃度を維持。

■印刷推奨条件

  1. ベタ印刷・太文字・網点・中~大面積のロゴ
  2. 中~大サイズの印刷版を使う絵柄
  3. 中~高粘度インク(濃色・速乾タイプ)

ドクターブレード 三角刃 t 0.9mm

ブレードのたわみが抑えられるので、小さい力で均一な掻き取りができます。
ベタ印刷、粘度が高いインキ、大サイズ版の印刷に適しています。

材質:SUS
厚さ × 幅(㎜):t0.9×20.5

■こんなトラブルの解消に役立ちます
凹版部に刃先が入り込み、インキをかき出し色ムラが発生した場合。
大判サイズの版で、インキを書く際にタマミが発生した場合。
ブレード圧を上げて無理やりかいてしまい、版にキズが発生した場合。

■このブレードの特徴

  1. たわみを抑える
  2. 押し圧低減で耐久性アップ
  3. 色ムラ低減

■印刷推奨条件

  1. 太文字、ベタ印刷、網点版
  2. 大きいサイズの版
  3. 高粘度インキ

ドクターブレードの製品詳細はこちら

まとめ

ドクターブレードは、印刷物の品質を決定づける「インクの掻き取り」という、非常に重要な役割を担う部品です。

印刷品質の安定化やコスト最適化を達成するためには、材質や「平行刃」「三角刃」といった刃の形状、厚みなどの特性を理解し、印刷方式やインクの種類、版の材質といった現場の条件に合わせて選定することが不可欠です。

特殊阿部製版所では、お客様の具体的な課題に合わせたドクターブレードを取り揃えておりますので、どのような条件が最適かお困りの際は、お気軽にご相談ください。


 
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Mon, 10 Nov 2025 08:45:40 +0900
<![CDATA[樹脂版とは?印刷品質を高める活用術を解説]]> https://tokuabe.com/blog/2025/11/10/121

樹脂版とは、「樹脂」を主成分として作られた印刷用の版材のことです。

印刷業界において、製品の品質と生産効率を左右する重要な要素の一つが「樹脂版」の選定と活用です。
特に、仕入れや調達をご担当されている皆様にとって、多岐にわたる印刷方式の中から、自社のニーズに最も合致した版材を見極めることは、コスト削減と印刷品質の維持に直結する課題ではないでしょうか。

近年、技術の進歩に伴い、ドライオフセット印刷やフレキソ印刷などに用いられる樹脂版は、耐久性や再現性が飛躍的に向上しています。

そこで、この記事では、印刷品質を高める鍵となる「樹脂版」の基礎知識から、主要な印刷方式ごとの種類や特徴、そして品質向上に役立つ具体的な活用術までを徹底的にご紹介いたします。

目次

  1. 樹脂版とは?
  2. 樹脂版の種類と用途
  3. 樹脂版のメリット
  4. 樹脂版の性能を引き出す方法
  5. 樹脂版選びのポイント
  6. 樹脂版なら特殊阿部製版所へ
  7. まとめ


樹脂版とは?

樹脂版とは、その名の通り「樹脂」を主成分として作られた印刷用の版材のことです。

印刷業界における版材は、古くは金属や木材が主流でしたが、技術の進化により、感光性の樹脂を用いた版が広く普及し、特にドライオフセット印刷などの凸版印刷において樹脂版は中心的な役割を担っています。

樹脂版の主な用途

樹脂版は、主に凸版印刷に分類される印刷方式で用いられます。
その用途は多岐にわたり、プラスチック容器・チューブ全般・食品容器(カップ麺など)など、多種多様なパッケージ印刷分野で不可欠な存在です。

ドライオフセット印刷

ドライオフセット印刷は、凸版印刷の一種で、樹脂製の凸版にインキをつけ、いったんブランケット胴に転写してから被印刷物に印刷する方式です。従来のドライオフセット印刷では、亜鉛、マグネシウム、真鍮、銅板などの金属凸版が版材として用いられてきましたが、近年では、感光性樹脂版もドライオフセット印刷の版材として利用されています。

特に、プラスチック容器・チューブ全般・食品容器(カップ麺など)では、成形品の曲面や凹凸面への対応、樹脂素材との密着性・転写性に優れた版設計が求められます。
ドライオフセット印刷では、同一ワークに多色を高速で重ね刷りするため、版厚精度や耐久性が極めて重要で、樹脂版が重宝されます。

フレキソ印刷

版が柔軟なゴム状の性質を持つため、段ボールやプラスチックフィルムといった表面が粗い、あるいは柔軟性のある被印刷物に対して高品質な印刷が可能です。

樹脂凹版(パッド印刷用樹脂版)

樹脂凹版(パッド印刷用樹脂版)では、文字部分を紫外線で硬化させずに樹脂を洗い出しして、インクだまりを作ります。

特殊阿部製作所では、これをパッド印刷用の版として販売しています。
フレキソ印刷(直接転写)とは異なり、樹脂版で直接印刷するのではなく樹脂版から一度シリコンパッドにインクを取り、シリコンパッドを商品に押し付けて印刷します。

メリットとしては、製版工程が短く、金属版より早く作れ、金属版よりも低コストな点が挙げられます。
強酸などを使う金属エッチングよりも、安全・環境負荷が低いのも強みです。

デメリットとしては、ドクターブレードの圧の調整を間違えると版がすぐに傷んでしまう点、金属版にくらべて細密さは劣る点などです。
また、大量生産にはやや不向きです。

なお、特殊阿部製作所でも制作、販売を行っておりますので、ご相談ください。

樹脂版の種類と用途

感光性樹脂版は、形状や現像方法によって「板状感光性樹脂版」と「液状感光性樹脂版」に分類できます。

板状感光性樹脂版(ドライオフセット印刷、フレキソ印刷)

板状感光性樹脂版は「ソリッド版」や「シート版」とも呼ばれ、すでに一定の厚さのシート状に成形されている樹脂版です。

厚みが均一で取り扱いやすく、フレキソ印刷や凸版印刷で幅広く使われています。
特に、高精細な印刷が求められる場面で、安定した品質を提供しやすいという特徴があります。

用途は、飲料の外装箱やフィルム、紙器、ラベル、段ボールの高精細印刷など、多岐にわたります。

液状感光性樹脂版(フレキソ印刷)

ペースト状または液状の樹脂を、製版時に必要な厚みで流し込み、硬化させて版を作成するタイプです。
板状感光性樹脂版が「ソリッド」と呼ばれるのに対して、こちらは「リキッド」と呼ばれています。
液状感光性樹脂版を用いるのはフレキソ印刷のみです。

樹脂を流し込む厚みを自由に調整できるため、特に厚みが必要な大型の版や、段ボールのベタ印刷など、インキの盛りを重視する用途に適しています。

用途は、段ボール、厚手の紙袋など、被印刷物の表面が不均一な場合や、大型印刷物をはじめ、食品の外装箱、製袋などに適しています。

樹脂版のメリット

樹脂版には、主に次のようなメリットがあります。

高い再現性と安定した印刷品質

現代の感光性樹脂版は、極めて高い解像度を実現できます。

デジタル製版技術の進化と相まって、極小の点(ドット)やグラデーション表現、細い線などもシャープに再現することが可能です。

また、工業的に均質な樹脂から作られるため、複数枚の版を作成した際の品質のバラつきが少なく、安定した印刷結果が得られます。

優れた耐久性とコストパフォーマンス

最新の樹脂版では、インキやクリーニング溶剤に対する耐性が強化されており、長時間の印刷や大量ロット印刷でも版の摩耗による品質低下を抑制できるため、耐刷性に優れています。

また、耐久性が高いということは、それだけ版の交換頻度が減少するということになります。
この結果、印刷機のダウンタイム(停止時間)が短縮され、トータルの生産性が向上し、コスト削減にもつながります。

製版プロセスの効率化

「製版が容易」でもお伝えした通り、従来の金属版(亜鉛版など)では、酸などの薬液を使ったウェットなエッチング(腐食)工程が必要でしたが、感光性樹脂版は光(露光)と、水や専用溶剤、あるいは熱(サーマル製版)といった工程で製版が可能なため、工程全体が短縮され、製版プロセスを効率化できます。

製版プロセスが迅速化されれば、短納期への対応力が大幅に向上し、急な発注や修正にも迅速に対応できる体制が構築可能になります。
また、廃液処理の負担も削減できます。

樹脂版の性能を引き出す方法

高性能な樹脂版を導入しても、使用方法や環境が不適切であれば、期待する品質は得られません。
そこで、ここで、最高の印刷品質を引き出すための運用管理について解説します。

適切な仕様温度と版の選定

樹脂は温度変化に敏感な素材であるため、印刷現場の環境を適切に管理する必要があります。

具体的には、印刷機のローラーや版の温度が適切でないと、インキの転移率が低下したり、版が変形したりする可能性があるため、版材メーカーが推奨する使用温度範囲を厳守することと、現場の室温管理が重要です。

また、版の選定も重要です。
版の硬度(ショア硬度などで示される)は、印刷圧力の受け方やインキの転移に影響します。
ベタ印刷には比較的柔らかい版、シャープな線画には硬めの版を選ぶなど、用途に応じた選定が必要です。

印刷圧力の設定と管理

長大ロットや強い圧力印刷では金属版が有利ですが、通常の使用条件では樹脂版でも十分な耐久性があります。

樹脂版は弾力性があるため、ごくわずかな圧力で十分なインキ転移が可能です。
圧力を必要最小限に抑えることで、版の耐久性を最大限に引き出し、同時に版上の網点(ドット)の変形を防ぎ、再現性を維持できます。

樹脂版の正しいお手入れ方法

樹脂版をお手入れする際は、印刷の途中、終了後に洗浄する場合は毛先の硬いブラシなどで擦るのではなく、洗浄剤を多めに含ませたウエスで上から押さえ(こすらない)インキを吸い取るように除去してください。

この除去方法でインキが取り切れない場合のみブタ毛のブラシに洗浄剤を多めに含ませ、インキ付着部を軽く叩くようにし(擦り落とすのではなく)洗浄剤で洗い流すようにしてください。
なお、ナイロンブラシのような毛先が硬いもので擦るのは厳禁です。

あまり強い溶剤を使って洗浄すると樹脂版の表面にべたつきを感じることがあるかもしれません。
その場合は版がダメージを受けているサインですので、溶剤を弱めのものに変えるか、短時間での洗浄を試みてください。

最後はエアーなどで洗浄剤を飛ばせば、版にゴミが残る恐れもなくなります。

保管環境の整備

版は使用していない間も、品質を維持するための整備が必要です。
保管環境の良し悪しが、版の寿命と再現性に大きく影響します。

直射日光や高温多湿な場所は、樹脂版の劣化や変形を招きます。
冷暗所で、湿度が管理された場所に保管することが理想的です。

版面を保護するために、専用の保護シートや包装紙で包み、積み重ねによる圧力やキズを防ぐよう平置きで保管しましょう。

樹脂版選びのポイント

数ある樹脂版の中から最適な製品を選ぶために考慮すべき、具体的なポイントは、以下の通りです。

被印刷物・インキ・印刷スピードとの適合性

樹脂版は印刷機全体の一部として捉える必要があります。

被印刷物

段ボールのような吸収性の高い粗面には、インキ転移に優れた厚手の版や液状版を、軟包装のような非吸収性素材には、高精細な画像再現が可能な薄手の板状版を選ぶなど、素材特性を考慮しましょう。

インキ

使用するインキ(溶剤、UV)の種類と、版材の耐溶剤性が合致しているかを確認しましょう。
極端な例ですが、インキに弱い版を使えば、版の膨潤や早期劣化につながりかねません。

印刷スピード

高速印刷を行う場合は、版の振動や耐久性が、より重要になってきます。
高速性に対応できる安定した性能を持つ版材を選定する必要があるでしょう。

求める品質とコストのバランス

安価な版材を選定しても、耐刷性が低く交換頻度が増えれば、トータルコストはかえって増加してしまいます。

そこで、版材単価だけでなく、「耐刷性」「製版にかかる時間とコスト」「交換頻度によるダウンタイム」を総合的に評価し、版のライフサイクル全体でのコストパフォーマンスを判断しましょう。

実際に自社の印刷機でテスト印刷を行い、求める品質(再現性、均一性)が長期的に維持できるかを確認することで、最適な選択が行えます。

樹脂版なら特殊阿部製版所へ

最適な樹脂版を選ぶためには、被印刷物、インキ、印刷機の特性を総合的に考慮し、ライフサイクルコストの観点から評価することが不可欠です。

高性能な版材と、それを最大限に活かす製版技術を持つパートナーを選ぶことが、印刷品質の安定と生産性の向上を確実に実現します。

特殊阿部製版所では、ドライオフセット用樹脂版を、プラスチック容器・チューブ・食品容器などの印刷用途に最適化した版を製作しています。
版厚精度・エッジ再現性・耐刷性のすべてにおいて国内トップクラスの品質を追求しています。

なお、特殊阿部製版所では、業界に先駆けて画像処理システムや高速刷版処理機、ドライフィルムセッターなどを導入。高品質化や短納期化のニーズに対応してきました。

長年培ってきた製版技術と最新の設備を駆使し、お客様の印刷品質と生産効率を最大化する樹脂版を提供しております。

版の選定から運用に関するご相談まで、ぜひお気軽にお問い合わせください。

樹脂版の製品詳細はこちら

まとめ

樹脂版は、金属版に比べて製版が容易で環境負荷が低い上、高い再現性と耐久性を兼ね備えています。
フレキソ印刷をはじめとする凸版印刷を中心に、パッケージ印刷の品質と効率を支える中核的な版材といえます。

最適な印刷品質を引き出すには、版材の硬度やインキとの適合性、そして印刷圧力や保管環境の適切な管理が不可欠です。

版材の初期費用だけでなく、耐久性や交換頻度、そして製版技術のサポート体制を含めたライフサイクルコストで評価することで、最も費用対効果の高い樹脂版の選定が可能になるでしょう。


 
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Mon, 10 Nov 2025 08:45:31 +0900
<![CDATA[【ブログ】新しくブログ記事を4本UPしました!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/09/17/119 新しくブログ記事を4本UPしました!
日々の業務に直結する、実践的かつ役立つ情報を多数掲載しています。是非ご一読ください。
ブログでは以下のような内容をご紹介しています。

シリコンパッドの役割とは?パッド印刷における重要な要素を徹底解説!」
1.シリコンパッドとは?パッド印刷の品質を左右する重要部品
2.シリコンパッドを選ぶ3つのポイント
3.【目的・種類別】シリコンパッドの特徴一覧
4.既製品では解決できない?特注・オーダーメイドという選択肢
5.まとめ

「パッド印刷(タンポ印刷)とは?仕組みから必要なものまで紹介!
1.パッド印刷(タンポ印刷)とは?
2.パッド印刷(タンポ印刷)のメリット
3.パッド印刷(タンポ印刷)のデメリット
4.パッド印刷(タンポ印刷)の他の印刷方法との違い
5.パッド印刷(タンポ印刷)の3つの印刷事例
6.パッド印刷(タンポ印刷)に必要なもの
7.パッド印刷(タンポ印刷)なら特殊阿部製版所にお任せください
8.まとめ

「箔押し(ホットスタンプ)とは?仕組みや加工方法を紹介!
1.箔押し(ホットスタンプ)とは?
2.箔押し(ホットスタンプ)のメリット
3.箔押し(ホットスタンプ)のデメリット
4.箔押し(ホットスタンプ)の種類
5.箔押し(ホットスタンプ)が使用されている商品例
6.箔押し(ホットスタンプ)に必要なもの
7.箔押し(ホットスタンプ)用刻印・治具なら特殊阿部製版所にお任せください
8.まとめ

「治具とは?コストの削減と安定した品質を両立する方法を解説!
1.治具とは?
2.治具を使用するメリット
3.最適な治具を選ぶための3つのポイント
4.さまざまな製造工程で活躍する治具
5.治具制作なら、特殊阿部製版所にご相談ください



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Wed, 17 Sep 2025 15:43:22 +0900
<![CDATA[治具とは?コストの削減と安定した品質を両立する方法を解説!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/09/11/118

高品質な製品を効率的に生産するためには「治具(じぐ)」の活用が欠かせません。
治具は、作業の精度を安定させるだけでなく、無駄な工数や不良品の発生を減らし、結果的にコスト削減へとつなげてくれる器具です。

特に印刷工程では、細かなズレや圧力の偏りが品質に大きく影響を与えるため、治具の設計や使用方法が重要なポイントとなります。
また近年では、耐久性と安定性を兼ね備えた周辺部材の導入が進み、より精密で効率的な生産体制の構築が可能になっています。

本記事では、「治具とは何か」という基本から、における具体的な活用シーン、さらに品質とコストの両立を実現する方法について、詳しく解説します。

目次

  1. 治具とは?
  2. 治具を使用するメリット
  3. 最適な治具を選ぶための3つのポイント
  4. さまざまな製造工程で活躍する治具
  5. 治具制作なら、特殊阿部製版所にご相談ください


治具とは?

治具(じぐ)とは、製造や加工の工程において、ワーク(加工対象物)を正確な位置に固定したり、作業を補助したりするための器具の総称です。
英語の「jig」の当て字が語源となっています。

治具は、主に、製品の品質を均一に保ち、作業効率を向上させる目的で使用されます。

治具の役割-「位置決め」と「作業の補助」

治具の主な役割は、「位置決め」と「作業の補助」の2点に集約されます。

位置決め(ポジショニング)

治具は、ワークを正確な位置に固定し、加工や印刷のズレを防いでくれます。
特に精密な作業が求められる印刷工程では、ミリ単位、時にはミクロン単位での位置決めが品質を左右します。

作業の補助

治具は、作業者が手作業で行うには困難だったり、熟練を要したりするような作業を簡素化し、補助してくれます。
これにより、誰でも一定の品質で作業を行えるようになり、作業効率が向上します。

たとえば、印刷工程では、印刷対象物を所定の位置に確実に固定し、絵柄との位置関係を常に一定に保つことで、毎回同じ品質の印刷が可能になります。

工具・型・取付具との違い

治具と混同されやすい言葉に「工具」「型」「取付具」がありますが、それぞれ異なる役割を持っています。

工具

工具とは、直接的に加工を行う道具(例:ドリル、ドライバー、ペンチなど)のことです。

一方、治具は工具の使用を補助するものです。

型とは、材料を流し込んだり、プレスしたりして、特定の形状を作り出すもの(例:射出成形金型、プレス金型など)です。

一方、治具はワークを固定するもので、それ自体が形状を作るわけではありません。

取付具(フィクスチャ)

取付具(フィクスチャ)とは、ワークを機械に固定するための装置全般を指します。

治具は取付具の一種ともいえますが、より広範な「作業補助」の役割を含みます。
治具は、単に固定するだけでなく、特定の作業手順や精度を確保するための工夫が凝らされている点が特徴です。

治具を使用するメリット

高品質な治具を導入することでもたらされる、特に重要な3つのメリットを解説します。

品質の均一化と不良率の低下

治具の最大のメリットの一つが、製品品質の均一化です。

手作業や目視に頼る作業では、どうしても個人のスキルや経験によって仕上がりにバラつきが生じます。
しかし、治具を使用することで、ワークの固定位置や加工条件が常に一定に保たれるため、以下のような効果が期待できます。

印刷ズレや位置ズレの防止

ワークを正確に固定し、印刷位置を安定させることで、デザインのズレや欠けを防ぎます。

印圧の均一化

パッド印刷やホットスタンプなど、圧力がかかる工程において、治具がワークを適切に支えることで、印圧の逃げや偏りをなくし、ムラのない仕上がりを実現します。

不良品の削減

品質のバラつきがなくなることで、不良品の発生率が大幅に低下します。
これにより、材料費や工数の無駄がなくなり、コスト削減に直結します。

作業時間の短縮とコスト削減

治具は、作業効率の向上にも寄与し、結果として全体的なコスト削減に貢献します。

段取り時間の短縮

治具により、ワークのセットアップや位置調整にかかる時間を短縮できます。
治具にワークをセットするだけで、すぐに作業を開始できるため、多品種少量生産においても効率的です。

作業スピードの向上

手作業での微調整が不要になるため、作業者は、よりスピーディーに工程を進めることができます。

再作業の減少

不良品が減ることで、修正や再生産にかかる時間を削減できます。

人件費の最適化

作業が簡素化されることで、熟練工でなくても一定の品質を保てるようになり、作業者ごとの生産性差が縮まります。

これらの要素が複合的に作用し、生産リードタイムの短縮と生産コストの削減を実現します。

人手不足対策

少子高齢化が進む現代の日本において、多くの製造業で人手不足が深刻な課題となっています。
治具は、この人手不足対策にも有効な手段となります。

作業の標準化・簡素化

治具を使用することで、複雑な作業工程が標準化され、誰でも簡単に作業を行えるようになります。
これにより、新人教育の負担が軽減され、短期間で戦力化することが可能になります。

熟練工の負担軽減

熟練工が担っていた精密な位置決めや調整作業を治具が代行することで、熟練工はより高度な業務やマネジメントに集中できるようになります。

作業負担の軽減

治具がワークをしっかりと保持するため、作業者は無理な姿勢や力作業から解放され、身体的な負担が軽減されます。
これにより、労働が長時間にわたる場合も楽に作業を行えるようになります。

この結果、治具が作業環境の改善につながり、従業員の定着率向上にも寄与する可能性があります。

最適な治具を選ぶための3つのポイント

治具の導入を検討する際、自社の製造工程に最適なものを選ぶことが重要です。

ここでは、治具選びの際に考慮すべき3つのポイントを解説します。

ポイント①:製造工程の「目的」から種類を絞り込む

まずは、どのような工程で治具を使用するのか、その「目的」を明確にすることが重要です。
これは、目的によって求められる治具の種類や機能が大きく異なるためです。

印刷用の治具の場合、ワークの正確な位置決め、固定、印刷時の圧力や位置の安定化が主な目的となります。
さらに、パッド印刷、シルクスクリーン印刷、ホットスタンプなど、印刷方式によって適切な治具が異なります。

ポイント②:ワーク(対象物)の特性に合わせた「材質」を選ぶ

治具の材質は、ワークの形状、素材、加工方法、使用環境によって慎重に選ぶ必要があります。
これは、不適切な材質を選ぶと、ワークを傷つけたり、治具自体の耐久性が低下したりする可能性があるためです。

以下のように、ワークの素材(プラスチック、金属、ガラスなど)、硬度、表面仕上げなどを考慮し、最適な材質を選定しましょう。

金属製治具(アルミニウム、ステンレスなど)
高精度が求められる場合や、耐久性、剛性が必要な場合に適しています。熱や化学薬品に強い特性もあります。

樹脂製治具(MCナイロン、POM、ABSなど)
ワークを傷つけたくない場合や、軽量化したい場合に有効です。絶縁性や耐薬品性を持つものもあります。

シリコン
特にパッド印刷用治具として、ワークの形状に柔軟にフィットし、安定した保持力を提供します。ワークへのダメージを最小限に抑え、インクの転写を補助する役割も果たします。耐熱性や耐摩耗性にも優れており、耐久性が高いのが特徴です。

ポイント③:必要な「加工精度」のレベルを明確にする

治具自体の加工精度も、製品の品質に直結する重要な要素です。
最終製品に求められる精度に応じて、治具の精度レベルを決める必要があります。

ただし、過剰な精度はコスト増に繋がるため、必要な精度とコストのバランスを見極めることが重要です。
専門業者と相談し、最適な精度レベルを決定することをおすすめします。

高精度治具
ミクロン単位での位置決めや、複雑な形状のワークに対応する場合に必要です。設計・製造コストは高くなりますが、最終製品の品質を保証するために不可欠です。

汎用治具
そこまで高い精度が求められない場合や、多品種少量生産で柔軟な対応が必要な場合に適しています。コストを抑えつつ、ある程度の品質向上を目指せます。

さまざまな製造工程で活躍する治具

治具は、印刷物のさまざまな製造工程で真価を発揮します。
ここでは、代表的な工程ごとの治具の活用例をご紹介します。

印刷用治具(パッド印刷用・シルクスクリーン印刷用・ホットスタンプ用)

まずは、印刷用治具の種類を見ていきましょう。

パッド印刷用治具

パッド印刷は、凹凸のある製品や曲面への印刷に適した方式です。
パッド印刷用治具は、ワークを安定して保持し、インクを転写するシリコンパッドとの位置関係を正確に保つ役割があります。
シリコンパッドとの組み合わせで、複雑な形状への印刷も可能にします。

ワークの形状に合わせた専用設計が必須となりますが、小ロットの印刷であれば簡易治具での対応なども可能です。

パッド印刷について詳しくは、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】
パッド印刷(タンポ印刷)とは?仕組みから必要なものまで紹介!

シルクスクリーン印刷用治具

シルクスクリーン印刷は、平らな面にインクを転写する印刷方式です。
治具は、版とワークの正確な位置関係を保ち、印刷のズレを防ぎます。

特に多色刷りの場合、色ごとの位置ズレを防ぐための高精度な治具が求められます。

ホットスタンプ用治具

ホットスタンプ(箔押し)は、熱と圧力で箔を転写する加工です。
治具が、ワークをしっかりと固定し、熱と圧力が均一にかかるようにサポートします。
熱が加わるため、耐熱性のある素材が選ばれることが多いです。

二次加工用治具(高周波誘導加熱用・超音波溶着用)

治具は、印刷だけでなく、金属や、樹脂、非鉄金属の二次加工においても、重要な役割を担っています。

高周波誘導加熱用治具

高周波誘導加熱とは、高周波の電磁誘導を利用して、金属などを加熱することで、金属部品の焼入れやろう付けなどに利用されます。

高周波誘導加熱用治具は、加熱対象となる部品を正確な位置に固定し、均一な加熱を可能にします。
加熱による変形を防ぐため、耐熱性と剛性に優れた素材が選ばれます。

超音波溶着用治具

超音波溶着とは、超音波を利用して、樹脂や非鉄金属を接合する技術の一種で、プラスチック部品などを接合する際に用いられます。

超音波溶着用治具は、溶着する部品を正確な位置で保持し、超音波の振動を効率的に伝える役割があります。

溶着する部品の形状に合わせた専用設計が必要です。

その他の治具

上記以外にも、治具はさまざまな工程で活用されています。

組立用治具…複数の部品を組み付ける際に、正確な位置関係を保ちながら作業を補助します。
検査用治具…印刷位置確認用や、製品の寸法や形状、機能が設計通りかを確認するための基準や測定補助具として使用されます。
搬送用治具…デリケートな製品や特殊な形状の製品を、工程間で安全に搬送するために使用されます。
成形品の反りを修正するための矯正用…成形品を矯正治具にはさみ、一定の圧力をかけて逆反り状態に保持するのに使用されます。
各種アッセンブリ用…部品を所定の位置に正確に固定した状態で、組み付けや圧入などの工程を実施するために使用されます。

治具制作なら、特殊阿部製版所にご相談ください

治具は、製品の品質安定、コスト削減、そして生産性向上に不可欠な存在です。
特に印刷業界においては、微細なズレが製品全体の品質を大きく左右するため、高精度で耐久性のある治具の導入が求められます。

特殊阿部製版所では、長年の経験と実績に基づき、お客様の多様なニーズに合わせた最適な治具の設計・製造を行っております。
特に、パッド印刷用治具や、耐久性に優れたシリコンパッドの提供には自信があります。

使用する材料は、各種金属やさまざまな樹脂など。被印刷物(ワーク)にキズが付きにくい材料を使用することもできます。

「品質を安定させたい」「不良品を減らしたい」「作業効率を上げたい」といったお悩みをお持ちの印刷業ご担当者様は、ぜひ一度、特殊阿部製版所にご相談ください。

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Thu, 11 Sep 2025 10:07:11 +0900
<![CDATA[箔押し(ホットスタンプ)とは?仕組みや加工方法を紹介!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/09/11/117

印刷物に高級感や特別感を与える加工方法の一つとして、近年ますます注目を集めているのが「ホットスタンプ(箔押し)」です。
パッケージや名刺、書籍の表紙などで見かける金色や銀色の光沢加工は、商品の価値を引き立て、ブランドイメージを高める効果があります。

しかし、「ホットスタンプ(箔押し)」と一口にいっても、その仕組みや加工方法、印刷物ごとの適用範囲について正しく理解していない方も多いのではないでしょうか。

本記事では、仕入購買・調達部門のご担当者様に向けて、「ホットスタンプ(箔押し)」の基本的な仕組みから、代表的な加工方法、採用する際のメリット・注意点までをわかりやすく解説します。
さらに、具体的な活用シーンや、信頼できる印刷パートナーの選び方もご紹介しますので、印刷物のクオリティ向上や付加価値提案を検討されている方はぜひ参考にしてください。

目次

  1. 箔押し(ホットスタンプ)とは?
  2. 箔押し(ホットスタンプ)のメリット
  3. 箔押し(ホットスタンプ)のデメリット
  4. 箔押し(ホットスタンプ)の種類
  5. 箔押し(ホットスタンプ)が使用されている商品例
  6. 箔押し(ホットスタンプ)に必要なもの
  7. 箔押し(ホットスタンプ)用刻印・治具なら特殊阿部製版所へ
  8. まとめ


箔押し(ホットスタンプ)とは?

箔押し(ホットスタンプ)とは、熱と圧力を用いて、専用の「箔」を紙やプラスチック、革などの素材に転写する特殊な加工技術のことです。
インキによる印刷とは異なり、素材の表面に箔の層を乗せるため、独特の立体感と光沢が特徴です。

金や銀のメタリックな光沢だけでなく、顔料箔によるマットな質感や、ホログラム箔による多色表現など、多様な視覚効果を生み出すことができます。
印刷物に高級感や特別感を与え、製品の付加価値を高める目的で広く用いられています。

箔押し(ホットスタンプ)の仕組み

箔押し加工の基本的な仕組みは、以下の要素で構成されます。

刻印(金型):箔押ししたいデザインが彫刻された金属製の型(版)です。熱を加え、圧力をかける役割を担います。
ホットスタンプ箔:キャリアフィルム、剥離層、着色層(金属層、顔料層など)、接着層の4層からなる特殊なフィルムです。
被加工物:箔押しを施す対象となる紙、樹脂、革などの素材です。

加工の際は、まず刻印を加熱し、その刻印と被加工物の間にホットスタンプ箔を挟みます。加熱された刻印が箔に圧力をかけると、箔の接着層が溶けて被加工物に密着し、同時に剥離層が機能して不要なキャリアフィルムから着色層が分離します。これにより、刻印のデザイン通りに箔が素材表面に転写されるという仕組みです。

この熱と圧力の絶妙なバランスが、美しく、そして耐久性のある箔押しを実現する鍵となります。

箔押し(ホットスタンプ)のメリット

箔押し(ホットスタンプ)には、次の3つのメリットがあります。

高級感のある印刷が可能

箔押し加工の最大の魅力は、その独特の光沢と質感による高級感です。
金や銀のメタリックな輝きは、視覚的なインパクトを強く与え、製品やブランドの価値を格段に引き上げます。

また、箔の厚みによってわずかな凹凸が生まれ、触覚にも訴えかけることで、より一層の特別感を演出できます。

デボス加工と組み合わせれば、よりデザイン性の高い仕上がりを実現できます。

紙だけでなく、樹脂・革など多様な素材に対応

箔押しは、紙製品はもちろんのこと、プラスチック、革、木材、布地など、非常に幅広い素材に適用可能です。
素材の特性に合わせて、最適な箔や加工方法を選択することで、表現の幅が大きく広がります。

この汎用性の高さは、多岐にわたる製品デザインやブランディング戦略において大きな強みとなります。

箔押し(ホットスタンプ)のデメリット

一方で、箔押し(ホットスタンプ)にもデメリットがあります。
次の2点に注意しましょう。

インキを使用する印刷と比較するとコストが割高

箔押し加工は、通常のインキ印刷と比較して、一般的にコストが割高になる傾向があります。

これは、デザインごとに専用の刻印(金型)を製作する必要があること、また、特殊な設備と熟練した技術を要するためです。
特に小ロットの場合、初期費用としての金型代が大きな負担となる可能性があります。

繊細な表現には適切な金型と技術力が必要

箔押しは、細い線や小さな文字、複雑なデザインの再現には、高い精度が求められます。
特に、細かすぎるデザインは箔が潰れたり、逆に剥がれてしまったりするリスクがあります。

これを避けるためには、デザインに適した高品質な金型製作技術と、正確な温度・圧力・時間の調整を行う熟練の加工技術が不可欠です。
信頼できる印刷パートナー選びが、品質を左右する重要なポイントとなります。

箔押し(ホットスタンプ)の種類

箔押し加工には、その用途や被加工物の形状に応じていくつかの種類があります。
ここでは代表的な3つのタイプをご紹介します。

アップダウンタイプ

 

最も一般的な箔押し方式です。
加熱された刻印が上下に動くことで、平面的な被加工物に箔を転写します。
高い精度でシャープな仕上がりを実現できます。

名刺、パッケージ、書籍の表紙など、比較的、小さな面積や平らな面への加工に適しています。

転がし・ローリングタイプ

円筒状の刻印や、ローラー状の装置を用いて、被加工物の上を転がしながら箔を転写する方式です。
連続的な動きで、効率的に加工が可能です。

広範囲の連続したデザインや、円筒形の製品(ペン、ボトル、マスカラ容器、アイライナー容器など)への加工に適しています。

ロールタイプ

連続したシート状の素材(ロール状のフィルムや紙)に対して、高速で箔押しを行う方式です。
生産効率が高く、コストを抑えながら大量の製品に箔押しを施すことができます。

主に大量生産される製品のラベル、パッケージフィルム、ICカードなどの製造ラインで用いられます。

箔押し(ホットスタンプ)が使用されている商品例

箔押し加工は、私たちの身の回りのさまざまな商品に活用されています。
その一部をご紹介します。

名刺・ショップカード

企業のロゴや名前を箔押しすることで、高級感と信頼性を演出します。

化粧品・食品パッケージ

ブランドロゴや商品名を箔押しし、商品の魅力を高め、消費者の購買意欲を刺激します。

書籍・雑誌の表紙

タイトルや装飾に箔押しを用いることで、特別感や重厚感を付与します。

手帳・ノート

表紙のロゴやデザインに箔押しを施し、所有する喜びを高めます。

革製品

財布、バッグ、キーケースなどに名入れやブランドロゴを箔押しし、オリジナリティや高級感を演出します。

ICカード・クレジットカード

カード番号やブランドロゴに箔押しを用いることで、偽造防止やデザイン性を向上させます。

箔押し(ホットスタンプ)に必要なもの

箔押し加工を正確かつ美しく行うためには、以下のものが必要です。

ホットスタンプ機

ホットスタンプ機とは、箔押し加工を行うための機械です。熱と圧力を利用して、箔(ホットスタンピングホイル)を被加工物に転写します。

機械にセットされた刻印(版)を加熱し、箔の上から被加工物に押し当てることで、デザインや文字を正確にマーキングします。手動式から自動機まで様々な種類があり、素材や生産量に応じて使い分けられます。

ホットスタンプ刻印

ホットスタンプ刻印とは、箔押しするデザインが彫刻された型のことです。
熱と圧力を被加工物に伝える重要な役割を担います。

ホットスタンプ刻印には、金属とラバーの2種類があり、素材によって特性が異なります。

  • 金属版
    鉄・真鍮・亜鉛が主な素材です。
    少しエンボスな仕上がりになります。

    熱伝導率が高く、耐久性に優れているため、細かなデザインやシャープな表現、大量生産に適しています。
    特に真鍮は、精密な彫刻が可能で、高い品質が求められる箔押しに多用されます。
  • ラバー版
    シリコンなどのゴム素材で作られた刻印です。
    ラバー硬度は、一般的に60〜90°まであります。

    金属版に比べて柔軟性があるため、表面に凹凸がある素材や、曲面への箔押しに適しています。
    金属版とは異なりフラットな仕上がりになります。

    また、均一な圧力をかけやすいため、広い面積のベタ押しにも利用されることがあります。

治具

治具(じぐ)とは、箔押し加工を行う際に、被加工物を正確な位置に固定し、安定させるための補助器具です。

治具を使用することで、加工位置のズレを防ぎ、均一な品質の箔押しを連続して行うことが可能になります。
特に、複数の工程を要する製品や、複雑な形状の製品には、専用の治具が不可欠です。

治具について詳しくは、下記の記事をご覧ください。

【関連記事】
治具とは?コストの削減と安定した品質を両立する方法を解説!

ホットスタンプ箔

金、銀のメタリック箔が一般的ですが、顔料箔(マットな色)、ホログラム箔(虹色の輝き)、パール箔、木目調箔など、非常に多種多様な種類があります。

素材との相性やデザインコンセプトに合わせて、最適な箔を選ぶことが、期待通りの効果を生み出す鍵となります。

箔押し(ホットスタンプ)用刻印・治具なら特殊阿部製版所へ

特殊阿部製版所は、長年にわたり培ってきた製版技術と精密加工のノウハウを活かし、高品質な箔押し用刻印および治具の製造を手がけております。

お客様の多様なニーズに応えるべく、金属刻印からラバー刻印、そして複雑な形状の被加工物に対応する専用治具まで、幅広く対応いたします。

デザインの細部まで忠実に再現する精密な加工技術と、安定した品質を保証する体制により、お客様の印刷物に最高の付加価値を提供いたします。

箔押し加工に関するご相談や、刻印・治具の製作依頼は、ぜひ特殊阿部製版所にお任せください。

まとめ

箔押し加工は、印刷物に高級感と耐久性を与え、ブランド価値を高める非常に効果的な手法です。

しかし、その特性を最大限に活かすためには、適切な金型製作技術と加工ノウハウを持つ信頼できるパートナー選びが不可欠です。

今回ご紹介した情報を参考に、貴社の印刷物への箔押し導入を検討される際の判断材料としていただければ幸いです。

製品の付加価値向上、そしてブランドイメージの強化に向けて、ぜひ箔押し加工の活用をご検討ください。


 
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Thu, 11 Sep 2025 10:07:04 +0900
<![CDATA[【アーカイブ配信】『パッド印刷トラブルシューティング シリコンパッド編』セミナー動画をUPしました!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/08/20/116 以前に開催したWEBセミナー『パッド印刷トラブルシューティング シリコンパッド編』の動画をUPしました!

・パッド印刷を始めたばかりの方
・これからパッド印刷機の導入をお考えの方
・以前からパッド印刷をどんなものか知りたかった・勉強したかった方
・パッド印刷に間接的に関わられている方(営業の方、生産管理の方、品質管理の方などなど・・・)
・新人にパッド印刷を教えたいけど教える時間を取れない方
・新人への教え方がわからなかったり、 どこから教えたらよいか迷っている方

そんな方々におすすめの動画となっています!

WEBセミナーに参加出来なかった方もこの機会に是非ご覧ください!

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Wed, 20 Aug 2025 13:54:53 +0900
<![CDATA[【お役立ち資料集】シリコンパッド選定のポイントについての資料をUPしました!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/08/05/115  

シリコンパッドの硬度と天面角度の相関関係をまとめた資料を作成しました。
シリコンパッド選定の参考としてご使用ください。

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Tue, 05 Aug 2025 15:12:13 +0900
<![CDATA[シリコンパッドの役割とは?パッド印刷における重要な要素を徹底解説!]]> https://tokuabe.com/blog/2025/08/05/113

シリコンパッドとは、パッド印刷において、インキを版から被印刷物に転写する役割を担う部品です。

パッド印刷(タンポ印刷)は、曲面や凹凸面、微細なデザインへの印刷に適した転写印刷技術ですが、その品質を左右するのがシリコンパッドです。
シリコンパッドは、インキを確実に拾い上げ、被印刷物に正確に転写するための重要な役割を担っています。

しかし、その材質や硬度、形状が多岐にわたるため、自社の用途に最適なものを選ぶのは容易ではありません

この記事では、「シリコンパッド」に焦点を当て、その役割や材質、形状、そして適切な選び方のポイントを詳しくご紹介いたします。

目次

    1. シリコンパッドとは?パッド印刷の品質を左右する重要部品
    2. シリコンパッドを選ぶ3つのポイント
    3. 【目的・種類別】シリコンパッドの特徴一覧
    4. 既製品では解決できない?特注・オーダーメイドという選択肢
    5. まとめ


シリコンパッドとは?パッド印刷の品質を左右する重要部品

パッド印刷(タンポ印刷)は、凹凸のある面や曲面、複雑な形状の対象物に対して、細かなデザインや文字を印刷するのに適した転写印刷技術です。

この印刷方法の核となるのがシリコンパッドで、インキを版から被印刷物に転写する役割を担います。

パッド印刷の仕組みとシリコンパッドの役割

パッド印刷の工程は、まず版上のインキをシリコンパッドで拾い上げ、次にそのインキを被印刷物に転写するというものです。

シリコンパッドは、この一連の動きの中で、インキを正確に捉え、被印刷物の形状に合わせて変形し、インキを転写する役割を担います。
その柔軟性と、インキ離れの良さが、パッド印刷の仕上がり品質を大きく左右します。

なぜ適切なシリコンパッド選びが重要なのか

パッド印刷において、インキの転写不良や、デザインの滲み、欠けといった問題が発生することがあります。これらの問題の多くは、シリコンパッドの選定ミスに起因することが少なくありません。

たとえば、被印刷物の形状や材質、使用するインキの種類に合わないパッドを選んでしまうと、インキが適切に転写されず、印刷品質が低下します。

適切なシリコンパッドを選ぶことは、印刷工程の効率化と品質の安定化に直結するため、非常に重要なのです。

シリコンパッドを選ぶ3つのポイント

シリコンパッドを選ぶ際には、「形状」「硬度」「材質」の3つのポイントを考慮する必要があります。

ポイント①シリコンパッドの形状

シリコンパッドの形状は多岐にわたり、用途に応じて最適なものが異なります。

形状別の特徴と用途

シリコンパッドにはさまざまな形状があります。
一般的には、丸型、角型、かまぼこ型、特殊な形状(特殊丸型など)があります。

被印刷物の形状や、印刷する面積、デザインの細かさなどに応じて最適な形状を選びます。
基本的には、とがった形状の方が、印刷が美しく仕上がりますが、曲面への印刷の場合は、とがっていないパッドの方が歪みを抑えて仕上げられます。

少ない工数での印刷を可能にする組み合わせパッド



印刷コスト削減などにより、より少ない工程数での印刷が求められています。
しかし、安易な工程数短縮は、印刷品質低下を招く恐れがあります。

このような問題を解決したい場合には、「組み合わせパッド」が有効です。
組み合わせパッドにより、複数工程を一度に短縮することができ、生産効率の向上につながります。

ポイント②シリコンパッドの硬度

シリコンパッドの硬度は、インキの拾い上げ方や被印刷物への追従性に影響します。

1~4の4段階で、硬度1が最も硬く、硬度4が最も柔らかいものになります。
同じ硬度であっても、材質によって実際の硬度は異なります。
ワーク形状、図柄、インキ、印刷速度などによって、最適な硬度のシリコンパッドを選ぶ必要があります。

柔らかいパッド・硬いパッドの長所と短所

柔らかいパッドは、凹凸や曲面のある被印刷物に対してより良く密着し、インキを均一に転写しやすいという長所があります。機械の圧力が弱くても印刷できるという点も長所です。
一方で、ピンホールが出やすいというデメリットがあります。

硬いパッドは、鋭いエッジを持つデザインや細かい文字の再現性に優れていますが、Rの強い曲面への印刷は困難です。

被印刷物の形状や印刷パターンから考える硬度の目安

被印刷物の材質や形状、印刷するデザインの複雑さによって、適切な硬度は異なります。
一般的に、凹凸が多い、または曲面のきつい被印刷物には柔らかめのパッドが、平らな面や微細なパターンには硬めのパッドがおすすめです。

たとえば、以下のような例が考えられます。

  • 平らな部分に高精細な絵柄を印刷する場合…硬度1~2のパッド
  • ベタ印刷で文字などを印刷する場合…硬度2~3のパッド
  • 曲面に細い線を印刷する場合…硬度2~3のパッド

ポイント③シリコンパッドの材質

シリコンパッドの材質は、耐久性やインキに対する親和性を左右します。

材質別の特徴と用途

シリコンパッドの材質は、印刷品質や耐久性に大きく影響します。
たとえば、特定のインキとの相性や、耐摩耗性、インキ離れの良さなどが材質によって異なります。

なお、特殊阿部製版所では、12種類の材質をラインナップしており、ご使用のインキや印刷スピードなどに合わせて選択しております。

鮮明な印刷を実現する硬度・材質の組み合わせ

材質と硬度の組み合わせによって、最適な印刷品質が得られます。被印刷物の材質や使用するインクに応じて、最適な組み合わせを選定することが重要です。

たとえば、特定の材質は高い耐久性を提供する一方で、別の材質はより鮮明な印刷を実現する柔軟性を持ちます。
微細な文字やロゴ、繊細なデザインを鮮明に再現したい場合は、ご相談に乗りますので、お問い合わせください。

【目的・種類別】シリコンパッドの特徴一覧

シリコンパッドには、特定の目的に特化したさまざまなタイプが存在します。

高粘度インキ対応タイプ(ATタイプ)

高粘度のインクを使用する場合、インクを確実に転写するためには特別な対応が必要です。ATタイプ(高粘度インキ対応タイプ)は、高粘度インキに対する転写性を高めるように設計されており、インクの品質を損なうことなく正確な印刷を可能にします。

高粘度インキに対応したシリコンパッドを見る
詳細資料は電子ブックでご覧いただけます(要ユーザー登録)

帯電防止タイプ(Nタイプ)

印刷工程中、静電気の発生は、「ヒゲ」(インキの飛び散り)や埃の付着を引き起こし、印刷品質を低下させる原因となります。

Nタイプ(帯電防止タイプ)は、静電気の発生を抑制し、クリーンな印刷環境を維持するのに役立ちます。

帯電防止効果のあるシリコンパッドを見る
Nタイプについて電子ブックで見る(要ユーザー登録)

キズが入りにくく、切れにくいタイプ(SL/SHタイプ)

製造現場では、パッドが摩耗したり、キズが入ったりすることがあります。SL/SHタイプは、優れた耐摩耗性を持ち、キズが入りにくく、切れにくいという特徴があります。
これにより、パッドの交換頻度が減り、コスト削減と生産効率の向上につながります。

キズが入りにくく、切れにくいタイプ(SL/SHタイプ)
キズが入りにくく、切れにくいシリコンパッドについて電子ブックで見る(要ユーザー登録)

既製品では解決できない?特注・オーダーメイドという選択肢

市場に出回っている既製品のシリコンパッドでは、特定の被印刷物や複雑な印刷要件を満たせない場合があります。このような場合、特注やオーダーメイドのパッド製作を検討することが有効です。

特殊阿部製版所では、カタログに記載のない既存の形状同士の組み合わせでも、シリコンパッドを製作しております。

カタログにはない特殊形状パッドの製作

特定の凹凸や複雑な形状を持つ被印刷物に対して、既製品のパッドでは対応が難しいことがあります。

特殊な形状のパッドをオーダーメイドすることで、被印刷物に完全にフィットし、最適な転写品質を確保できます。

複数工程を一度に短縮する組み合わせパッド

標準的な印刷工程を簡素化したい場合、単一のパッドで複数の作業を同時に行うことができる組み合わせパッドの製作が考えられます。

これにより、生産時間を大幅に短縮できます。

詳しくは、シリコンパッド形状カタログをご覧ください。

まとめ

シリコンパッドは、パッド印刷の品質を左右する非常に重要な要素です。適切なシリコンパッドを選ぶためには、被印刷物の形状、使用するインキ、そして求める印刷品質に基づいて、「形状」「硬度」「材質」を慎重に検討する必要があります。

既製品で対応が難しい場合は、特注やオーダーメイドの選択肢も視野に入れることで、最適な印刷ソリューションを実現できるでしょう。シリコンパッドの選定を見直すことで、パッド印刷の品質向上と効率化が期待できます。

特殊阿部製版所では、多様なニーズに合うシリコンパッドをラインナップしております。
シリコンパッドでお困りの方は、ぜひご相談ください。

最適なシリコンパッド選定でお困りではありませんか?
技術スタッフに相談する(お問い合わせ)

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Tue, 05 Aug 2025 15:00:00 +0900