TOP > ブログ > ホットスタンプ(箔押し)でよくある失敗とは?原因と対策をわかりやすく解説!
お役立ち情報
2026/02/26

ホットスタンプ(箔押し)でよくある失敗とは?原因と対策をわかりやすく解説!

ブログ

製品の付加価値を高めるホットスタンプ(箔押し)は、高級感の演出に欠かせない技術です。
しかし、いざ量産を開始すると「箔がきれいに乗らない」「細かい文字が潰れてしまう」といったトラブルに直面することも少なくありません。

昨今の製造現場では、コスト削減と短納期化が求められる一方で、品質に対する要求はますます厳しくなっています。
特に、仕入購買や調達を担当される方にとって、加工不良によるロスや納期の遅延は避けるべき重大な課題ではないでしょうか。

そこで、この記事では、ホットスタンプでよくある失敗の具体的な事例とその原因、さらに現場で実践できる対策をわかりやすくご紹介いたします。

目次

  1. なぜホットスタンプは失敗するのか?
  2. 【失敗1】箔の保管トラブル
  3. 【失敗2】物理的に不可能なデザイン
  4. 【失敗3】潰れ・かすれ・ピンホール
  5. 【失敗4】箔が焼ける(虹色変色)
  6. 【失敗5】材料適性の見落とし
  7. ホットスタンプなら特殊阿部製版所にお任せください
  8. まとめ


なぜ昨日までできていたホットスタンプ(箔押し)が、今日は失敗するのか?

製造現場において、昨日まで順調に流れていたホットスタンプ(箔押し)のラインが、突如として不良の山を築くことは、実は珍しいことではありません。

一見すると機械の故障や設定ミスに思える失敗も、実は環境の変化や目に見えない材料の変質が原因である場合が多々あります。

ホットスタンプは「熱」「圧力」「時間」という3つの要素が複雑に絡み合う繊細な加工技術です。

この不安定な加工プロセスを安定させ、よくある失敗を未然に防ぐためには、表面的な現象だけでなく、その裏に隠れた根本原因を正しく理解することが不可欠です。

【失敗1】未使用なのに転写不良が!箔の保管トラブル

「新品の箔を使い始めたのに、なぜか転写が悪い」「箔がロールから剥がれない」といったトラブルは、箔の保管状態に起因することがあります。

原因

箔は湿度に弱く、紫外線でも劣化します。このため、温度変化が大きい環境での保管はNGです。温度変化が大きかったり紫外線が当たったりする環境下では、未使用でも劣化する場合があります。

対策

推奨の保管条件は、温度変動が少なく、直射日光の当たらない、湿度が25~30%に保たれた場所です。段ボールに入れたまま保管することと、除湿を意識しましょう。

【失敗2】物理的に不可能な箔押しデザイン

デザイン担当部署から上がってきたデータが、物理的にホットスタンプの限界を超えているケースも、現場での失敗を招く要因となります。

原因

細か過ぎるデザインは、箔押し用の版(金型)を作製する段階で無理が生じます。
線が細すぎると版自体が欠けやすくなり、逆に線同士の間隔が狭すぎると、加工時の熱で箔が広がり、線が繋がって「潰れ」が発生してしまいます。たとえば、グラデーションなどは不可です。

対策

箔は、インキとは異なり、温度と圧力で剥がす方式です。版の彫角・高さ・段数で結果が大きく変化します。

彫刻ラバー版では約0.06mm程度が理論限界ですが、量産を考慮すると0.15mm以上が推奨であることを念頭に置いてデザインすることが大切です。

【失敗3】いつも同じ場所が抜ける(潰れ・かすれ・ピンホール)

量産中に、特定の箇所だけが潰れたりかすれたりして、いつもきれいに転写されない、あるいは小さな穴(ピンホール)が開くという現象は、非常に厄介なトラブルです。

原因

この場合、主な原因は、刻印形状不一致や、受治具の受け不足、成形ヒケ・反り、ゴミ付着などです。
ホットスタンプ機の版と受け台が完全に平行でないと、圧力が分散してしまい、特定箇所だけがかすれる原因となります。
一方で、版や素材に小さな塵が付着していると、その部分だけ圧力が過剰にかかったり、逆に浮いたりして、ピンホールや潰れを引き起こします。

対策

加工開始前の徹底した清掃と、精度の高いムラ取り作業が欠かせません。成形条件安定化、エアブロー、刻印補正のほか、治具再設計が必要になることもあります。

【失敗4】箔が焼ける(焼け・虹色変色)

メタリック箔を使用した際、本来の輝きが失われ、表面が曇ったり虹色に変色したりすることがあります。これは現場で「焼け」と呼ばれる現象です。

原因

最大の原因は、設定温度の過上昇、または加熱時間の超過です。箔の多層構造の中にある保護層や着色層が、過剰な熱によって熱分解を起こすことで変色が発生します。
特に、自動機でラインが一時停止した際、版が素材に接触したまま長時間放置されると、その部分だけが顕著に焼けてしまいます。また、タクトが長すぎたり、PP/PEなどの難しい素材に無理に密着させようとした場合も箔が焼けてしまいます。

対策

箔の種類ごとに推奨される適正温度を厳守することが重要です。非接触温度計で版表面温度の実測を行いましょう。機械の設定温度と、版表面の実温度には差があることが多く見られます。
高温で短時間の作業を行うよりも、温度を下げて時間を長めに取った方がきれいに仕上がります。また、材料適合箔への変更も検討しましょう。

【失敗5】箔の接着層と被転写物が密着しない!材料適性の見落とし

「設定温度も圧力も完璧なのに、どうしても箔が剥がれてしまう」という場合は、材料の相性が原因となっている可能性があります。

原因

特に、箔の接着層と素材の相性不一致が一番の原因です。近年の印刷物には、撥水加工やUVコーティング、ラミネート加工などが施されていることが多く、これらの表面処理剤と箔の接着層が化学的に反発し、密着しないケースがあります。
また、プラスチック素材(PP、PETなど)の場合、成形時に使用される「離型剤」が表面に残っていると、箔を弾いてしまいます。

対策

対策としては、適合表を確認の上、必ず事前テストを実施することです。

ホットスタンプ(箔押し)なら特殊阿部製版所にお任せください

ホットスタンプを成功させるには、単に機械を動かすのではなく、版・箔・素材・機械の特性を把握した上で、統合的にコントロールすることです。

特殊阿部製版所では、長年の経験に基づいた高精度な製版技術に加え、お客様の現場で発生するさまざまなトラブルに対する技術サポートも行っております。「どうしても解決できない失敗がある」「新しい素材への加工に挑戦したい」といった課題に対し、最適なソリューションをご提案いたします。

高品質なものづくりを支えるパートナーとして、ぜひ当社の技術をご活用ください。

また、資料「ホットスタンプ ~箔の管理方法について~」をご用意しております。ご希望の方は、下記ページよりご請求ください。
https://01tokuabe-document.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjo1NjQ2NTMsImNhdGVnb3J5TnVtIjo1NTY0MX0=&pNo=2

まとめ

ホットスタンプでよくある失敗は、保管環境、デザイン、物理的な調整、温度管理、および材料の相性という、多岐にわる要因から発生します。

これらのトラブルを回避するためには、現場での場当たり的な対応ではなく、調達段階からの適切な素材選定や、加工条件の標準化が欠かせません。

特に印刷業においては、品質トラブルは利益を圧迫する大きな要因となります。本記事でご紹介した原因と対策を参考に、トラブルの芽を摘む管理体制を構築されることをおすすめいたします。


 

関連記事