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2026/09/18

パッド印刷用シリコンパッドの選び方|形状・硬度の選び方を解説

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パッド印刷用シリコンパッドの選び方|形状・硬度ポイントを解説

過去の記事では、パッド印刷用シリコンパッドの役割や、印刷品質との関係をご紹介しました。
その後、「どのような形状を選べばよいのかわからない」「硬いパッドと柔らかいパッドのどちらが適しているのか」といった、選び方に関するお問い合わせを数多くいただいています。

シリコンパッドは、絵柄が収まる大きさだけで選べるものではありません。
被印刷物の形状や材質、絵柄、印刷位置、使用するインキなどによって、適した材質・形状・硬度が異なります。
そこで今回は、シリコンパッドを選ぶ際のポイントを、形状と硬度を中心に解説します。

この記事だけで最終的な品番まで決められなくても問題ありません。
選定に迷った場合は、当社の営業担当者へご相談ください。
使用条件を確認し、用途に適したシリコンパッドをご提案します。

目次
1. シリコンパッドが印刷品質に与える影響
2. シリコンパッドの形状を選ぶポイント
3. シリコンパッドの硬度を選ぶポイント
4. シリコンパッド選びでよくある失敗
5. シリコンパッドを選ぶときに確認したい情報
6. 印刷用シリコンパッドについてよくある質問
7. まとめ

 

シリコンパッドが印刷品質に与える影響

シリコンパッドの形状や硬度が印刷条件に合っていない場合、次のような現象が発生することがあります。

  • 絵柄が歪む
  • 細い線や文字がきれいに出ない
  • ベタ面がムラになる
  • インキを転写し切れない
  • ピンホールが発生する

ただし、これらがすべてシリコンパッドに起因するとは限りません。
仕上がりには、版、インキの粘度や希釈、印刷速度、押し込み量、
温湿度、被印刷物の表面状態なども影響します。
転写不良が発生した場合は、印刷条件全体を確認することが重要です。


シリコンパッドの形状を選ぶポイント

パッド印刷用シリコンパッドには、丸型、角型、かまぼこ型などがあります。
天面の角度や高さ、幅、体積が異なれば、押し込んだときの変形や被印刷物への接触の仕方も変わります。

絵柄全体を覆える大きさを選ぶ

シリコンパッドには、絵柄全体を十分に覆える大きさが必要です。
絵柄が外周に近すぎると、押し込んだ際の変形によって転写が不安定になることがあります。
絵柄の寸法だけでなく、周囲の余裕も含めて大きさを検討します。

ただし、大きければよいわけではありません。シリコンパッドが大きいほど、押し込みに必要な力も大きくなる傾向があります。
印刷機の加圧能力やストローク、版・治具・インキカップなどとの干渉も確認が必要です。

シリコンパッドの天面角度を確認する

天面角度は、被印刷物への接触順序やインキの転写状態に影響します。
一般的な形状では、天面の頂点付近から接触し、押し込みに伴って接触面が外側へ広がります。
この動きにより、空気を逃がしながらインキを転写します。

天面が平らに近く、一度に広い面積が接触すると、条件によって空気を押し出しきれず、ピンホールが発生しやすくなります。そのため、適度な天面角度を持つ方がインキを転写しやすい傾向がありますが、適切な角度は被印刷物の形状や曲率、印刷位置、絵柄によって異なります。


被印刷物の形状やに合わせる

シリコンパッドは、印刷面の形状や印刷範囲に合わせて選定します。

印刷条件

  形状を選ぶ際の考え方

平面への印刷

→ 絵柄を十分に覆い、適切な天面角度を持つ形状を選ぶ

円筒・曲面への印刷

→ 被印刷物の曲率と印刷範囲に合い、歪みを抑えられる形状を選ぶ

凹部への印刷

→ 凹部へ入る寸法と、周囲への干渉を確認する

凸部・段差への印刷

→ 高低差に追従し、必要な箇所へ接触できる形状を選ぶ

横長の絵柄

→ かまぼこ型など、絵柄の方向に合った形状を検討する

複数箇所への印刷

→ 組み合わせパッドや特注形状を検討する

曲面へ印刷する場合も、硬度だけでなく、被印刷物にどの方向から接触するかを考える必要があります。

印刷機に取り付けられるか確認する

印刷に適した形状でも、使用する印刷機に取り付けられなければ使用できません。

  • シリコンパッド全体の高さ
  • ベースの形状と寸法
  • パッドホルダーへの取付方法
  • 版やインキカップとの位置関係
  • 被印刷物や治具との干渉
  • 印刷時に必要な押し込み量

他社製品から切り替える場合は、パッド本体だけでなく、ベースや取付穴の仕様も確認します。

シリコンパッドの硬度を選ぶポイント

硬度は、被印刷物への追従性、変形量、絵柄の再現性、印刷時に必要な力などに影響します。

硬いシリコンパッドの特徴

硬いシリコンパッドは変形が比較的小さく、絵柄の形状を保ちやすい傾向があります。

  • 細い文字や線を再現しやすい
  • 絵柄の歪みを抑えやすい
  • 平面や比較的単純な形状への印刷に向きやすい
  • 強い曲面や凹凸には追従しにくい
  • 必要な加圧力が大きくなる場合がある

微細な文字や絵柄でも、硬ければ必ずきれいに印刷できるわけではありません。
印刷機の能力や被印刷物の強度も含めて判断します。

柔らかいシリコンパッドの特徴

柔らかいシリコンパッドは変形しやすく、曲面や凹凸面に追従しやすい傾向があります。

  • 曲面や凹凸面に沿いやすい
  • 比較的弱い圧力でも変形する
  • 被印刷物へ強い力を加えにくい用途で検討できる
  • 変形量が大きく、絵柄が歪む場合がある
  • 細部の再現性やピンホールに影響する場合がある

必要以上に柔らかくすると、印刷位置や絵柄の形状が安定しにくくなることがあります。

硬度表示の違いに注意する

硬度表示は、メーカーや材質によって異なる場合があります。
特殊阿部製版所では、次の4段階で表しています。

  • 1:最も硬い
  • 2
  • 3
  • 4:最も柔らかい

この番号は当社製品における硬度区分であり、ショア硬度や他社独自の番号とは、そのまま比較できません。

また、同じ硬度区分でも、材質によって実際の硬さや変形特性が異なります。
他社製品から切り替える場合は、硬度番号だけでなく、材質や形状、使用条件も確認します。

シリコンパッドの形状と硬度はセットで考える

同じ硬度でも、背が高く先端の鋭い形状と、背が低く平らな形状では、変形や接触の仕方が異なります。
大きさや体積によっても変形の仕方が変わるため、形状と硬度はセットで検討します。

優先すること

  形状・硬度を検討する方向

細文字や微細な線を再現したい

→ 適度な天面角度と、比較的硬いシリコンパッドを検討する

強い曲面へ追従させたい

→  曲率に合った形状と、柔らかめのシリコンパッドを検討する

絵柄の歪みを抑えたい

→  変形方向を考慮した形状を選び、必要以上に柔らかくしない

弱い加圧で印刷したい

→  形状、体積、硬度を総合的に調整する

広いベタ面を印刷したい

→  出来るだけパッドの頂点を外して絵柄を拾える天面の面積、天面角度と、空気が抜ける接触順序を重視する

これは一般的な方向であり、すべての印刷条件に当てはまるものではありません。
実際には、被印刷物、絵柄、インキ、印刷機などを総合的に確認します。

シリコンパッド選びでよくある失敗
絵柄が収まればよいと考える

外形に絵柄が収まっていても、周囲に十分な余裕がなければ、変形によって転写が不安定になることがあります。
絵柄の寸法だけでなく、印刷時の変形も考慮します。

曲面だから最も柔らかいシリコンパッドを選ぶ

柔らかいパッドは曲面に追従しやすい一方、変形量も大きくなります。
曲面印刷では、硬度に加えて形状、天面角度、接触方向、印刷範囲を検討します。

現在のシリコンパッドと同じ外形だけで発注する

外形寸法が同じでも、材質、硬度、肉厚、内部構造が異なれば、変形やインキの転写状態も変わります。
他社製品から切り替える場合は、ベースや使用するインキ、印刷条件もお知らせください。

シリコンパッドだけで転写不良を解決しようとする

不良の原因が版やインキ、印刷環境などにある場合は、シリコンパッドを交換しても改善しません。
転写不良が発生した場合は、次の項目も確認します。

  • 版の状態や版深度
  • インキの粘度
  • インキと溶剤の組み合わせ
  • 希釈量
  • 印刷速度
  • 版やシリコンパッドでの停止時間
  • 温度と湿度
  • シリコンパッド表面の状態
  • シリコンパッドの押し込み量
  • 被印刷物の表面状態

原因を一つに決めつけず、発生状況を整理しながら確認することが、早期解決につながります。

シリコンパッドを選ぶときに確認したい情報

選定や製作をご依頼いただく際は、次の情報があると具体的な検討ができます。

  • 使用目的
  • 被印刷物の材質・形状・寸法
  • 印刷位置と印刷範囲
  • 絵柄の形状と寸法
  • 使用するインキと溶剤
  • 現在のパッドの品番・形状・硬度
  • 発生している印刷不良
  • 取付方法
  • 必要数量と希望納期
  • 被印刷物の現物、図面、写真の有無

すべて揃っていなくても、ご相談いただけます。どの情報が必要かわからない場合も、営業担当者がお話を伺いながら、選定に必要な条件を整理します。


既製品で対応出来ない場合は特注形状も検討

特殊阿部製版所では、約400種類のシリコンパッド形状をご用意しています。
既製品では対応が難しい場合は、被印刷物や図面、絵柄などを確認し、特注形状を検討します。

  • 複数のパッドを一体化した「組み合わせパッド」
  • 内部を空洞にした「中空パッド」
  • 側面に空気の通り道を設けた「トンネルパッド」
  • 異なる硬度を組み合わせた「二層パッド」
  • カタログにない特注形状
  • 圧着、押し付け、転写など印刷以外に使用するシリコン製品

規格品で印刷範囲や設備条件に対応できない場合も、形状や内部構造を見直すことで改善できる可能性があります。

シリコンパッドの選び方についてよくある質問

シリコンパッドは硬い方がきれいに印刷できますか?

硬いほど必ずきれいに印刷できるわけではありません。細い文字や線の再現に適する場合がありますが、曲面や凹凸面への追従性は低くなります。被印刷物の形状、絵柄、印刷機の加圧能力などを含めて選定します。

曲面には柔らかいシリコンパッドを選べばよいですか?

一般的には、柔らかいほど曲面に追従しやすくなります。ただし、柔らかすぎると変形が大きくなり、絵柄の歪みや印刷位置の不安定化につながる場合があります。曲率、印刷範囲、天面形状を含めた検討が必要です。

同じ形状なら他社製品へ置き換えられますか?

外形が似ていても、材質、硬度、肉厚、内部構造などが異なるため、同じ印刷結果になるとは限りません。切り替える場合は、現在のパッドとあわせて、被印刷物、絵柄、インキ、印刷条件などをご提示ください。

シリコンパッドの寿命は何ショットですか?

寿命は使用条件によって大きく変わるため、一律に決めることはできません。インキや溶剤、押し込み量、印刷速度、被印刷物の形状、清掃方法、保管環境などが影響します。

カタログにない形状も製作できますか?

はい。既製品で対応が難しい場合は、被印刷物の現物や図面、絵柄などをもとに特注形状を検討します。印刷条件によっては、組み合わせパッドや、中空・トンネル・二層などの内部構造をご提案します。

まとめ|シリコンパッド選びに迷ったらご相談ください

シリコンパッドの形状は、被印刷物への接触順序、空気の逃げ方、印刷範囲、周辺部品との干渉などに影響します。
硬度は、曲面や凹凸面への追従性、変形量、絵柄の再現性、必要な加圧力などに関係します。
最適なシリコンパッドを選ぶには、被印刷物の形状や材質、絵柄、印刷位置、インキと溶剤、印刷機の仕様、
求める品質、発生している不良などを総合的に確認する必要があります。

それでも判断できないことは珍しくありません。
多くの形状・材質・硬度が複雑に関係するため、最終的な仕様までお客様だけで決めていただく必要はありません。
特殊阿部製版所では、被印刷物の現物や図面、絵柄、使用するインキ、現在の印刷状況などを確認し、用途に適したシリコンパッドをご提案します。
初めて注文される方はもちろん、現在のパッドからの切り替え、印刷不良に伴う形状・硬度の見直し、特注形状についても、お気軽に営業担当者へご相談ください。


 

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