TOP > ブログ > コピー【パッド印刷】全域ピンホールの真犯人はどこ?原因を見分ける5つのチェックポイント
お役立ち情報
2026/04/24

コピー【パッド印刷】全域ピンホールの真犯人はどこ?原因を見分ける5つのチェックポイント

ブログ

なぜ印刷を止めないといけないのか?原因はインキだけではないかもしれません

ドライオフセット印刷の現場において、
版の目詰まりやゴミ付着によって機械を止め、版を洗浄し、再度セットして試運転を行う。
この一連の作業を、何度も繰り返していないでしょうか。

本来であれば生産に使えるはずの時間が、 「止める・洗う・戻す」という作業に費やされていく。
その間にどれだけの製品が仕上がっていたかを考えると、決して小さくないロスです。

例えば、1回の停止が数分でも、1日で見れば数十分〜、一か月で見ると数十時間の損失になるケースもあります。 

さらに問題なのは、この現象が「インキや条件の問題」として扱われ、
本質的な改善に至らないケースが多いことです。

これは本当に避けられない問題なのでしょうか。 まずは版洗浄が必要になるプロセスを見てみましょう。


なぜ版は目詰まりするのか

印刷中、版の凹部にはインキが繰り返し供給されます。
このとき、

  • インキが過剰に残る
  • 微細なゴミや異物が付着する
  • インキが版上で乾燥し始める

といった現象が積み重なることで、
細字・抜き・網点部分から徐々に“詰まり”が発生します。

この状態では、

  • 文字の太り
  • 網点の潰れ
  • 印刷ムラ

といった不良が発生し、
結果として「洗浄によるリセット」が必要になります。

インキの性質や印刷の仕組み上どうしても
インキが残りやすい状態になってしまっているということになります

従来の対策で効果が出ない理由

一般的な対策としては、

  • インキ粘度の調整
  • 溶剤の変更
  • 印刷速度の変更

などが挙げられます。
しかしこれらはすべて、起きた現象への対処(対症療法)です。
版表面にインキが残り続ける限り、いずれ同じ問題は再発します。

課題解決の糸口は【印刷版】にあり

そこで重要になるのが、インキではなく印刷版の方で対策するという考え方です。
特殊阿部製版所が、この課題に対して開発したのが
A-SPECコーティングです

A-SPECコーティングとは

A-SPECコーティングは、
樹脂版の表面に極めて薄いコーティング被膜を形成し、インキの不要な堆積を防ぐ技術です。

特長は以下の通りです。

  • 膜厚:約10nmの超薄膜
  • 印刷品質に影響を与えない
  • 樹脂版にダメージを与えない低温処理

従来のコーティングのように「厚すぎて使えない」という問題を回避しています。

 

特長は以下の通りです。

  • 膜厚:約10nmの超薄膜
  • 印刷品質に影響を与えない
  • 樹脂版にダメージを与えない低温処理

従来のコーティングのように「厚すぎて使えない」という問題を回避しています。

導入効果① 印刷品質の安定

コーティングにより、

  • 抜き文字
  • 細字
  • 網点

といった繊細な部分でのインキ詰まりが大幅に軽減されます。

結果として、

  • 文字の太り防止
  • 網点の再現性向上
  • 長時間の安定印刷

が実現できます。

導入効果② 生産性の向上

版の目詰まりが減ることで、

  • 版洗浄回数の削減
  • 機械停止時間の短縮
  • 稼働率の向上

につながります。

さらに、

  • 不良品削減
  • 再印刷の削減

といったコスト面での改善効果も期待できます。

印刷条件による原因

印刷機の設定も重要です。
ドクターブレードやドクターリングが摩耗していると、インキ掻き取りが不均一になりベタ面にムラが発生します。
また、印圧不足ではインキ転写が不十分となり、印刷面全体でインキ膜が薄くなることがあります。
確認すべきポイントは
ドクターブレード摩耗
シリコンの硬度不足
押し込み量調整
などです。

印刷環境による原因

印刷環境もピンホール発生に影響することがあります。
特に注意したいのが静電気と湿度です。
ワークや治具が帯電している場合、インキ膜が局所的に退いたり薄くなったりすることがあります。その結果、クレーター状のピンホールが発生することがあります。
また、帯電したワークには微細な埃や粉塵が吸着しやすくなり、これが「点欠け」や「微小ピンホール」の原因になることもあります。
湿度が低すぎる環境では静電気が発生しやすくなるため、印刷環境の管理も重要です。
一般的には温度20〜25℃、湿度50±10%RH程度の環境が安定しやすいとされています。
エアコンの直風が印刷機に当たる場合もインキ乾燥バランスが崩れることがあるため注意が必要です。


まとめ

印刷面全体に発生するピンホールは、工程全体のバランス崩れによって発生することが多い不良です。
次の5つの要素を順番に確認することで原因を切り分けることができます。

  • 印刷条件
  • インキ状態
  • パッド状態
  • ワーク状態
  • 印刷環境

ピンホールは偶発的なトラブルではなく、印刷工程の状態を示す重要なサインでもあります。
条件を一つずつ整理することで、印刷の安定性を高めることができます。

また、資料「パッド印刷トラブルシューティング ピンホール編」をご用意しております。ご希望の方は、下記ページよりご覧ください。
https://01tokuabe-document.actibookone.com/content/detail?param=eyJjb250ZW50TnVtIjo1NTQ1MDIsImNhdGVnb3J5TnVtIjo1NTY0MH0=

技術相談

原因が特定できない場合や条件調整で改善しない場合は、
版設計・パッド選定・印刷条件の整理からサポートすることも可能です。
現場条件を確認しながら、再現性のある改善方法をご提案いたします。
お気軽にご相談ください。


 

関連記事